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最終更新日:2014.7.17|意見数:59件

芸術の学校Yotsuya Art Studium(東京新宿)については画面最下を参照。

2014

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近畿大学国際人文科学研究所ホームページにおける表記を追加報告。

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3月31日をもって四谷アート・ステュディウムは閉校。 在学生有志による近畿大学への存続を求める活動は終了する。今後の活動について、いくつかの講座の受講生により、自分たちで学び研鑽する場を生み出そうとする動きが始まっている。

3/17

提出した署名の請願事項に対する回答を求めるため、在学生有志よりコミュニティカレッジオフィスへ電話で問合せ。窓口担当者からは「署名冊子を渡したが(事務長、所長からの)返答はない。今後も署名に対し何らかの見解を示すことはない」との回答を得る。


3/10

在学生有志が、これまで集めた署名(529名分)を近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィスへ提出。提出の際も直接の回答は得られず。


2013年12月27日金曜日

募集要項・講座概要にもとづく問合せ

2013年12月25日、学生有志が国際人文科学研究所 事務長 木地平浩次様、および所長 人見一彦様へ閉講の時期とプロセスについてメールと書面にて問合せました。

『募集要項』『講座概要』記載の「カリキュラムは互いに連携するよう組み立てられているため、複数の講座を受講することが望まれます」との趣旨を根拠に、来年度以降も今年度と同等の講座を開くようお願いする内容です。

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時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

11月下旬に今年度末での東京コミュニティカレッジ四谷アート・ステュディウムの閉講を伝える通知を拝受しました。閉講の時期とプロセスについて、お問い合わせいたします。

四谷アート・ステュディウムの受講料は講座毎の支払いですが、『講座概要』に「互いに連携するよう組み立てられているため、複数の講座を受講することが望まれます」と明記されており、受講生は複数年度にまたがる計画を立てて受講しています。

特に、「岡崎乾二郎ゼミ自由応用」は、「ゼミ在籍生経験者を対象に開講する。」との受講条件があるため、「岡崎乾二郎ゼミ基礎」の受講生は、次年度以降の「自由応用」ゼミ履修を念頭に、「基礎」を受講します。「基礎」履修後に「自由応用」を受講してはじめて完了するカリキュラムとして選択をしています。
講座は一連のものとして設計され、その旨が『募集要項』および『講座概要』に明記されている以上、連続して受講できないとなれば一つ一つの講座の価値が半減します。『募集要項』および『講座概要』の記載内容を遵守し、来年度以降も今年度と同等の講座を開いていただきますようお願いします。

各講座が互いに連関する一連のものである根拠を以下に記します。(原本の複写を同封します。)

2013年12月21日土曜日

プレスリリース|芸術教育とは何か?──近畿大学四谷アート・ステュディウム閉校問題で議論高まる

2013年12月19日、四谷アート・ステュディウム在学生有志が、新聞、テレビ、雑誌、出版社、web、その他報道機関へ向けプレスリリースを行いました。

本プレスリリースは、2013年11月の近畿大学による“半年後の閉校”通知を受けて、主に講師・受講生の間から広がった、芸術教育や大学のあり方をめぐる議論、そして、学校存続と閉校決定の明確な理由の開示を求める署名活動などの動向について、広く公共に投げかけるものです。


「芸術教育とは何か?
──近畿大学四谷アート・ステュディウム閉校問題で議論高まる」

[PDFファイル]

[HTMLファイル]



※以下抜粋を掲載

introduction


2013年11月、近畿大学が、芸術の学校「四谷アート・ステュディウム」(東京都新宿区四谷1-5)を2014年3月で閉校することを決定しました。それをきっかけに、講師・受講生から派生して、芸術教育をめぐる議論が高まりを見せています。

四谷アート・ステュディウムは、近畿大学国際人文科学研究所付属の教育機関、東京コミュニ ティカレッジとして2002年より始動、造形作家・批評家の岡﨑乾二郎教授がディレクター(2004-)を務めています。

大学のエクステンションカレッジが注目される昨今、校舎にギャラリーを備え、美術・建築・ダンス・音楽・文学・哲学など幅広い領域の学生がその研究・学習成果を発信し、また国内外から著名な講師・ゲストを招き、常に活気ある芸術批評講座を開催するなど、一種のメディア的な機能を果たす、その学際性豊かな活動は異彩を放っています。詩を掲載した大判のポスターを募集要項として毎年発行するなど、印刷物を含めたプロダクトの「生産を行なう実践の現場・工場」であることが、この学校のコンセプトです。

“半年後の閉校”通知に広がる声 


芸術と教育という社会問題・大学のあり方めぐり専門家の間で議論 

学校存続と情報開示を求め署名活動も


開校から11年目にして、半年に満たない期間を残して突然の近畿大学からの閉校告知を受けて、一切の情報が開示されないなか、受講生・出身者・講師らが、世界的に見ても希有なこの文化的拠点について語り出す動きが、インターネット上でただちに広まりました。とりわけ、講師ら芸術・批評の専門家が寄稿するウェブサイト「芸術教育とは何か?」では、四谷アート・ステュディウムが教育研究機関として果たす役割を軸に、広く芸術と教育という社会問題や、大学・美術大学のあり方にまで及ぶ今日的な議論が展開され、思考の場を形作っています。また、近畿大学から閉講通知が発行された後、在学生有志が学校の存続と情報の開示を求める署名活動を始動し、教育という公共的な営みに対して問いを投げかけています。

教育機関における社会的責務に関する問題提起を含むこうした動きは、四谷アート・ステュディウム以外の場所でのシンポジウムや講義の開催に波及し、画家・批評家の松浦寿夫氏(東京外国語大学教授)による連続講義がアートトレイスギャラリーで行なわれるなど、影響力の大きさを窺わせます。



* 詳細は「関連イベント情報」を参照

プレスリリース目次


01
- introduction

02
03
四谷アート・ステュディウム閉校の動きと広がる芸術教育をめぐる議論
関連ウェブサイト

04
関連イベント情報
  • アートトレイス|松浦寿夫 連続講義(全10回)
第四回「感情のインフラ、あるいは感情というインフラ」
講師|松浦寿夫(画家、批評家、東京外国語大学教授)
2013年12月26日(木)19:00-
  • レクチャー+シンポジウム(2014年春開催予定)
四谷アート・ステュディウム在学生有志主催による
問い合わせ 

協力:ART TRACE

2013年12月18日水曜日

国際人文科学研究所 事務長の木地平浩次様より、四谷アート・ステュディウム 主任ディレクターの岡崎乾二郎様を通じて連絡

国際人文科学研究所 事務長の木地平浩次様より、四谷アート・ステュディウム 主任ディレクターの岡崎乾二郎様を通じて以下の連絡を受ける。以下、学生有志が受け取ったメールより転載。

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日付: 2013年12月16日 23:05
件名: 大学より連絡

阿部さま

本日...以下の内容のメールが送られてきましたので お伝えします。「」内は引用、原文そのままです。



○12月27日に「...東京での活動(一年間の経過措置としての夏期、冬期のセミナー等の実施)について打合せをいたしたく思っており、その経緯の中で、受講生にご案内できる事項もあろうかと思っています。」

○「繰り返しとなりますが、『カレッジは本年度末を以って閉講する』以外の回答はございません。岡﨑先生には、本学教員及び副所長として、本学の決定に何とぞご理解・ご協力いただきたく思います。私としては、27日にお話した内容を以って、今後、経過措置についてどの様に受講生に対応するか大学側と調整したいと考えておりますので、恐縮ですが、その旨、早急に岡﨑先生から受講生(阿部様他、有志の方々)に連絡していただきたく、よろしくお願いいたします。」


という連絡を事務長の木地平浩次さんより受けました。
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2013年12月14日土曜日

意見書 第2号



2013年12月11日、手紙・意見書第2号・資料(閉講をめぐる経緯・学校概要・メディア掲載)を、近畿大学理事長ら13名の運営関係者の方々に送りました。

また同時に、国際人文科学研究所 所長 人見一彦様、事務長 木地平浩次様、東京事務所、 四谷アート・ステュディウム 主任ディレクター 岡﨑乾二郎様へ、同手紙と資料、および、11月20日以降に届いた意見書提出者一覧を送りました(意見書は追って送付予定)。

以下に、これまでの経緯と、四谷アート・ステュディウム閉講に関する説明会開催のお願いを記した手紙を掲載します。

2013年12月13日金曜日

閉講通知について:近畿大学へご確認のお願い


学生宛・講師宛 二種通知について


*私たち「四谷の声」から、近畿大学あて、2013年12月11日に発送した「手紙・意見書・資料(閉講の経緯・学校概要・メディア掲載)」の、資料に収めた「閉講をめぐる経緯」欄より、以下内容を掲載いたします。





閉講通知は、学生(受講会員)宛講師(講座担当者)宛の二種類が発行されています。いずれも、発行日は「平成25年11月12日」と記載され、郵送での各宛先への到着が11月20日頃でした。

私たちは、四谷アート・ステュディウムで学びたいという強い思いから、どのような条件でならば存続していただけるのかの可能性を、ぜひとも知りたいと考えております。

その立場から、通知の内容について、近畿大学にご確認の上、ご回答いただきたい点を以下に記します。


転載|講座担当者 各位|コミュニティカレッジ閉講ついて(お知らせ)


近畿大学 国際人文科学研究所
大阪コミュニティカレッジ
東京コミュニティカレッジ(Yotsuya Art Studium)

講座担当者 各位


近畿大学 国際人文科学研究所
所 長 人 見  一 彦


コミュニティカレッジ閉講ついて(お知らせ)


拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、2002年より東京開設、翌年度大阪開設と長きに渡り先生方のご協力のもとに沢山の受講会員を集め開講してまいりました。

しかしながら、現在の研究所運営の見直しを図る必要があり2014年3月末日を持ちましてコミュニティカレッジを閉講する運びとなりました。

長年にわたる先生方のご厚情に心から感謝申し上げますと共に、突然の閉講でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げる次第でございます。

まずは略儀ながら書中をもちまして閉講のご挨拶を申し上げます。
皆様の今後のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

平成25年11月12日


近畿大学 国際人文科学研究所
〒577-8502  東大阪市小若江3-4-1
電話. 06-4307-3092
FAX. 06-6721-2533
Mail. jimbunken@itp.kindai.ac.jp


*講師宛閉講通知の掲載協力:松浦寿夫先生。
松浦先生に感謝いたします。



関連記事

2013年12月10日火曜日

「もう二度と作れません!」中川周

[写真家]


写真技術を専門とする視点からも四谷アート•ステュディウムの教育レベルの高さには驚かされます。昨今、写真に限らず多くの学校の技術教育プログラムが、既存の職種やインフラに依存した色合いを強め、その本質的な技術上の可能性を閉ざしているように思われます。そういった潮流の中で四谷アート•ステュディウムの特に基礎ゼミ、応用ゼミでは歴史や理論に省みつつもいち早く最新技術を取り入れるなどその実験的教育スタイルにより、決してゼミの演習課題に収まらない革新的なアイデアをこれまでに生み出してきました。私が学生として経験した中では、2009年基礎ゼミの「自然」をテーマとした期間、また2010年基礎•応用ゼミの「発明」をテーマにした時期がその趣が強くとても刺激的でした。

「憧れの意義」櫻井拓

[編集者]


学校の影響は、かならずしもそこに通う学生への影響だけではないと思います。職業人としての私にとって四谷は、アートに関する刺激的な書き手を探そうとするときに、最優先でリサーチする場所のひとつでした。四谷アート•ステュディウムが、美術の世界でどれだけ重要な人材を輩出しているかは、他の方が十分に書かれているように、疑問の余地がありません。


大脇理智 

[メディアテゥルク、ビジュアルエンジニア 、身体表現家、スタジオイマイチ代表、YCAM Inter LAB エンジニア]

芸術に置ける、いわゆる技術を学べる学校は国内にも多く開かれているが、芸術の可能性について研究を徹底的に行う学校は、このは四谷アート・ステュディウ以外他になく、日本の芸術のおいて大変重要な場であることは間違いありません。私も多くのを学ばせていただいのでは四谷アート・ステュディウの存続を望みます。


2013年12月6日金曜日

「四谷という場所」久保田貴之

[アルバイト]


なんというか、四谷が閉校になるということに今だに実感が湧かないまま、日々を過ごしてしまっています。
私は大学四年生の時から四谷に通い始めました。
授業で一番印象に残っているのは、おかざき先生が言っていた、芸術などの概念そのものを時代の変化に合わせて、今生きている私たちが更新しなければならないということ。
そのものについて語ること。考えること。作ること。定義そのものを更新すること。
描くこと、モノをつくる人たちはいつの時代も一定数存在していて、そのひとたちが更新、蓄積してきた途方もないものたちの連なりのはじっこ、その場所に今、自分はいるのだなと。 


「四谷アート・ステュディウムは、存続するべきです。」外島貴幸

[美術、漫画、パフォーマンス、文章]

私が卒業した学校は今までに二つ、なくなってしまいました。文化学院芸術専門学校の高等課程、B-semi learning system of contemporary art。既存の学校教育にどうしても馴染めなかった私は、そうしたものとは別のシステム、思想によってはじめられ、その脈流が未だに流れている、そんな「学校」に、自らの道を見出すしかありませんでした。

あるシステムに沿って生きる事ができない者は、どのような環境に身を置けるかによって、その後の人生が大きく(恐らく世の多くの人よりも決定的に)変わってしまいます。私がそこで一定の期間を過ごすことになったこれら二つの学校は、幸運なことにそのときの私にとって、とても理想的な空間でした。
もしもこの二つの学校に行っていなかったとしたら、私は、悪い意味において、全く違う人生を送っていたでしょう。四谷アート・ステュディウムもまた、そうした場所です。開校当初に半年間受講した後、通わなくなっていましたが、2007 年に精神的な危機に陥りながらも、何故かふと思い立つようにゼミをとる事に決め、再び通い始めたことは、今作品を作っている人間として、疑いなく幸運なことでした。
 

この場所で行われた様々な議論、ひとつひとつの作品に対する洞察、主体と政治、芸術作品と社会に関わる繊細な思考、それらを学び、そして「場所を持たない」者がどのようにスペースを創り出せばよいのか、そのことに対する明確な意志と思想を「受け止めた」(全て理解した、とは正直なところ未だにいえません)ことは、直接的な心理的危機からの脱出というわけではないにせよ、私にとって自分の生も含めた、重要な核心、枠組みとなりました。
そうした場所を必要とする人は、今もどこかにいるはずです。何を喪失したのかわからない喪失が、本当に怖い喪失です。四谷アート・ステュディウムは、存続するべきです。

●受講講座履歴
2003年後期、2007年岡崎乾二郎ゼミ自由応用、その他シンポジウム、イベントなど多数受講

高橋宏幸

[プラット・インスティテュート客員研究員]


私が受講したのは、開校したばかりの大阪コミュニティカレッジのアーツ・マネージメント系の講座でしたが、四谷アート・ステュディウムについては、常に活気あふれる学校であったと思っています。それが、その後東京に転居して、外からではありますが、私がいろいろと四谷アート・ステュディウムを見させて頂いた印象です。実際、いくつもの大学、そこには関西の大学のサテライト校も含みますが、さらにはカルチャー・スクールまで、なにかを学ぶことができる場所は、東京にはたくさんあります。そのなかで、四谷アート・スティディウムは、芸術の理論と実践を結びつけるための独特な教育を行う場所として、異彩をはなっていました。関西の大学のサテライト校のほとんどが、カルチャー・スクールと同じような、代わり栄えのしないカリキュラムであるなか、四谷アート・スティディウムは、独自の理論に基づく、特徴ある講師をとりそろえたいくつもの講座があり、関東圏の学生や社会人が、セカンド・スクールとして通う場所としてあったと思います。もちろん、セカンド・スクールというだけでなく、大学を卒業した後で、真摯に勉強を続けようとする人、芸術作品を作るための活動の足場にしようと通っている人、どこにも行き場がなくてたむろっている人など、たくさんの方々がいて、交流をはかっていたと思います。なので、それがなくなってしまうことをさびしく思います。

●受講講座履歴
大阪コミュニティカレッジ2003年在籍

2013年12月3日火曜日

「近畿大学である、誇り」細尾直久

[建築設計]


東大阪の近畿大学において、2005 年度の一年間、岡崎乾二郎先生のゼミに所属して、勉強をさせていただきました。僕は文芸学部ではなく、理工学部、建築学科の学生でしたが、たまたまもぐり込んだ「現代芸術論」の授業に衝撃を受け、頼み込んで許可をもらい、ゼミに参加させていただいたのです。大学の建築学科は、専門分野に特化され、制度化されたものであったので、それだけでは飽き足りなかった僕にとって、大学の建築学科という制度から離れた場所で、一見無関係にみえる、様々な領域の背後にある仕組みや、相互間のつながりを見つけ、取り出し、組み立て直していくという、ものを考え、つくる上での本質的なことを、そこで学びました。
ただ、岡崎先生の講義は、熱心な外部からの聴講生が多くを占めており、切実さを持って授業に臨んでいる一方、文芸学部のほとんどの正規の学生には関心をもたれておらず、ほんの数人の正規の学生しかゼミに参加してこないという、奇妙な風景があったことも、書き記しておきます。

東京にでて、四谷アートステュディウムに遊びに行き、研究員合宿や、四谷のイベントにも度々参加することがありました。



まさに四谷アートステュディウムは、普段は別の場所に、それぞれ専門分野を持つ、大学院生やすでに批評家や作家として活動している人たちが、交差しあいながら、様々な領域を結びつける知能の働きを訓練し、ものを考え、つくる拠点として、熱気に満ちていました。
それぞれの専門分野に特化せざるを得ない、通常の大学制度とは離れたところで、様々な領域を横断する、“もうひとつの学校” として機能しているからこそ、四谷の熱気と、知的興奮が存在していたのだ、と思っています。

僕は大学卒業後すぐ、イタリアに留学し、向こうで働くようになり、一年前から京都へ拠点を移しました。イタリアも京都も、一見、古めかしい、過去の遺産でおおわれた場所でしかない、と思われがちなのですが、古いもののなかに沈殿している仕組みや、他のものとのつながりを見つけ、取り出し、組み立て直していくという、“ほんとうの意味での教養” があれば、これほど現代において、ものを考え、つくりあげていくヒントが隠されている場所はありません。

例えば、ローマ郊外に位置する、ローマ皇帝の別荘地であったヴィラ・アドリアーナは、かつての建材が打ち捨てられた、遠い過去への思いを馳せる庭園ですが、壊されてしまった、かつての建築の礎石を庭園に内包し、過去を想起するという、京都における西芳寺の禅宗庭園と、まったく同じ形式をしています。2008 年に福島で行われた、四谷アートステュディウムの研究員合宿に参加したのですが、研究員の方達と議論したことをイタリアで思い出し、それがイタリアと日本の庭園の、構造的類似に気づく大きなヒントにもなっています。

“ほんとうの意味での教養=一種のコモンセンス” を学ぶ場所こそが、“もうひとつの学校”である、四谷アートステュディウムであることは、言うまでもありませんが、最後に、近畿大学の卒業生として、僕は書かなければならないことがあります。

近畿大学に国際人文科学研究所という機関があり、その中に四谷アートステュディウムという学校が存在するということは、近畿大学に、一種の誇りを与えてくれるものでした。現代の世界において、人文科学のフロンティアを、まさに切り開いている先端の場所であり、かつ、そのように世間で認識されているからです。

本来の意味で“大学” とは、就職や仕事に役立つといった短期的な目的の為だけでなく、学生に対して、これから先の長い人生において、考え、研究する方向を示唆するような場所のことをいうのだと思います。そうした意味において、近畿大学が“大学” たりうるのは、まさに四谷アートステュディウムがあるからであり、それを簡単に潰してしまうのは、西芳寺をブルトーザーでコンクリート舗装してしまうような、文化的な暴挙に、近いものがあります。

四谷アートステュディウムを閉鎖させて、近畿大学の通常の講座のなかで、同じことができるとは思えません。大学の講座は現状では、即戦力で就活や資格に役立つプログラムが重視されているように、思われるからです。それに対して四谷のプログラムは、僕が経験したところ、むしろ大学を終えて、社会にでてから、その先に、指針を与えるようなものとしてありました。
目の前の就職にしか関心がいかない学部生に、これに気づくゆとりがあるのかどうか?すなわち、十年後、百年後をも見据えるような射程を持ち、世界のヴィジョンを指し示すべく研究をし続ける場所は、大阪の大学制度の中では位置づけられない、と思うからです。つまり、四谷アートステュディウムのような機関は、大学制度の次にくるもの、その向こう側にこそ、なければならない。近畿大学には、その向かう先、その次がある。

僕は、近畿大学に誇りをもてたのも、それが理由でした。僕は、近畿大学が、東京において四谷アートステュディウムを継続させ、人文科学の最先端を切り開き、そこで学ぶ多くの学生に、大きな示唆を与える“大学” であり続けるならば、近畿大学の卒業生であることを、これからも、本当に晴れ晴れしく思うでしょう。

四谷アートステュディウムの継続を、こころから願います。

●受講講座履歴
近畿大学文芸学部・岡崎乾二郎ゼミ(2005 年度)

●来年度以降 受講予定講座
京都市在住なので、遠隔地からでも受講できる講座が設けられれば、是非参加したいです。

2013年12月2日月曜日

高石万千子

 私は「現代思想」(1980年代、柄谷行人、浅田彰のころ)で そこで私は岡﨑乾二郎の存在を知りました。
のちに同誌が“近畿大学 国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ”という長い名構の開校広告がのり私は早速入会受講しましたのがはじまりいまに至ります。
いまは“四谷アートステュディウム”(プラネタリー(惑星的)な思考と実践 この上なく明晰な芸術の学校)がつけ加わりました。

 私はユニークなパンフレットが大好き。発行されるとかならず友人に配りました。「すてきな学校で勉強しているのよ・・」と。

「果敢な遭難(冒険)をやめさせることはできません」橋本聡

[「アーティスト」や「基礎芸術 Contemporary Art Think-tank」などで活動しています。最近は「ロバート・スミッソン」のプロジェクトを複数人で企画しています。]


たとえば「政治」や「経済」、「科学」、「芸術」などと並べられ、役割分担のようにカテゴリー分けされますが、それは利便性や効率性などによる手管のようなものです。たとえ多くの人が手管と受け取らないとしても、「芸術」にとっても「何か」にとっても、そのような図式に身を任せることは檻に入るのと一緒でしょう。だから、その図式に囚われずに「芸術」やら「何か」はあらゆることに向かわなければ骨抜きになってしまう。でも、大半の「何か」だけでなく大半の「芸術」を掲げる機関、そして「アーティスト」を掲げる個人でさえ、役割分担に終身しようとします。


四谷アート・ステュディウムは「学校」なり「芸術」という言葉を暫定的に掲げるとしても、上述のカテゴリー分け自体をも解体し、それらのパーテーション(区分け)をフレキシブルに筏なり、サーフボードとなしアクチュアルな冒険をおこすものでありました。それが個人的活動でなく、機関の規模でなされるのだから、より驚愕なことです。個人的活動とは位相が違い、複数の活動を交通させるプラットホームを形成し、アクチュアルなネットワークを駆動させる。そのプラットホームが破壊されれば、そこで交通する多くの者の冒険までもが破壊されてしまいます。既成のプラットホームにのっかるだけの大半の学校とは違い、代わりはないのです。

2013年11月28日木曜日

意見書 第1号





















2013年11月20日、意見書第1号(在学生27名、在学経験者24名、計51名分)を学校に提出しました。

提出先:

  • 近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィス 事務長 木地平浩次様
  • 近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィス 所長 人見一彦様
  • 近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジオフィス
  • 近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ 岡崎乾二郎様

2013年11月24日日曜日

「現代における歴史との闘い」塚田 守

[作家]


2002年から2005年まで芸術理論ゼミ、ラウンドテーブル、制作応用ゼミに継続的に参加をいたしました。その後、制作拠点を主に海外に移し、現在はベルリンで作家活動をしている塚田守と申します。

いまベルリンで制作をしながら当時のことを思い起こしても、とても刺激的なゼミであったことをはっきり思い出します。思考も肉体も、その刺激の強さに根をあげそうになりながらも、何故かその魅力にとても惹かれていたこと。 鬱蒼とした日本の状況の中で、芸術の歴史の面白さを現代に読み解く岡崎さんの希有な才能にある意味陶酔しつつも、安易な馴れ合いを許さない岡崎さんの方法論の厳しさ、それらから多くのことを学びました。 今の私の制作は、間違いなくアート・ステュディウムのゼミから多大な影響を受けています。

「多くの献身によって護られてきた学校です」草刈思朗

[音楽家]


その多くは今はいない協力者たちの献身的な尽力と繊細な配慮によって、保護され持続してきた近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ四谷アート・ステュディウムとその複雑に組み上げられた知的営みを、安易に断絶させることには私は反対します。四月は最も残酷な月だ、は結びに書き入れてしまうべき言葉ではありません。四谷アート・ステュディウムを存続させることを私は強く希望します。

2013年11月23日土曜日

転載|『東京コミュニティカレッジ(Yotsuya Art Studium)』閉講について(お知らせ)

2013年11月21日、受講生に、大学より閉講通知が郵送で届き始める。東京事務所移転に伴い2014年3月末日に閉講、との内容。以下に全文を転載。




近畿大学 国際人文科学研究所
東京コミュニティカレッジ(Yotsuya Art Studium)
受講会員 各位


『東京コミュニティカレッジ(Yotsuya Art Studium)』閉講について(お知らせ)

拝啓 
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、2002年より開設以来、たくさんの方に受講をいただきました『東京コミュニティカレッジ(Yotsuya Art Studium)』は、東京事務所移転に伴い来る2014年3月末日を持ちまして閉講する運びとなりました。
 皆様の長年にわたるご厚情に心から感謝申し上げますと共に、突然の閉講でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げる次第でございます。
まずは略儀ながら書中をもちまして閉講のご挨拶を申し上げます。
皆様の今後のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。 
敬具
平成25年11月12日
近畿大学 国際人文科学研究所
〒577-8502 東大阪市小若江3ー4−1
電話. 06−4307−3092
FAX. 06−6721−2533
Mail. jimbunken@itp.kindai.ac.jp

なお、国際人文科学研究所会員の方への、入学金の返金につきましては、
後日、改めてお知らせいたします。

近畿大学 東京事務所
〒160-0004 東京都新宿区四谷1−5
電話. 03−3351−0591
FAX. 03−3351−7300

「張り合いを失った顔と芸術のおしえ」杉山雄規

[大学院生]


 先日、四谷アート・ステュディウムに閉校の噂があることを、受講生の友人より耳にした。はっきりしたことは判らないが、と前置きした上で、彼は悲痛そうな面持ちでその知らせを僕に告げた。喧騒の只中にある新宿のカフェで、僕らは、ただの一言もなく、沈黙するほかなかった。なぜ閉校しなければならないのか、どのような過程を経て、最終的に誰によって閉校の決定が下されたのか、そして閉校は確定事項なのか。頭の中に幾つもの疑問が間断なく浮かんでくるものの、一度どちらかがそれを口にすれば、この切迫した空気が緩んで、今にも涙が零れてしまいそうだったから。
 それから暫くして、四谷アート・ステュディウムの存続を求める声が、各界の著名な先生方や現役の受講生、そしてOB・OGの諸先輩方から次々に挙がった。止むに止まれぬ思いに駆られ僕も筆を執った所まではよかったが、どうにも書きあぐねてしまい陳情文の執筆は頓挫してしまった。その時初めて、存続を願う思いは変わらないはずであるのに、それを正当化する言葉を終に持ちえない自分を発見した。数字や客観的な事実により教育機関としての重要性を論証してみせることも、また個人の受講体験から指導水準の高さを主張することも出来ない。そして何より、彼是理由を付けた挙句、《だから》四谷は存続すべきなのだと結論付けることが、僕にはどうしても出来ないのだ。



2013年11月22日金曜日

「梁山泊のような場所」倉数 茂

[小説家]


 四谷アート・ステュディウムが閉鎖されると聞いて、とても悲しく思っています。
 アート・ステュディウムに在籍していたとき、私は東京大学大学院(総合文化研究科)の後期博士課程の院生でしたが、その後大学に提出した博士論文(『私自身であろうとする衝動』というタイトルで以文社から出版されています)は、むしろ四谷で学んだからこそ書けたのだと思っています。それは四谷アート・ステュディウムには、既成のアカデミックな空間とは異なる「芸術」「文化」についての言説があったからです。四谷アート・ステュディウムは、文化系・芸術系の通常の大学(院)を模倣するところでも、対立するところでもありません。それらとは異なる、もっと実験的で、現場感覚的で、横断的な思考を手探りする場所でした。そこに集まっている先生方も学生たちも、自分が帰属する大学や場所に飽き足らず、物足りなさを感じている、いわば「浪人」めいた人たちだったと思っています。私にとって四谷アート・ステュディウムはそういう梁山泊的な場所でした。そこで、先生方だけでなく、学生仲間から学んだことがたくさんあります。

 なぜ閉鎖という決断が下されたかわかりませんが、継続に必要なコストに見合うだけの利益をもたらしていないと判断されたのでしょう。金銭面やわかりやすいブランド力ということだけならそうかもしれません。しかし、今後十年のスパンで考えるなら、アート・ステュディウム出身のアーティスト、批評家、芸術関係者が各界で活躍することは間違いないと思います。そのとき、かつてのアート・ステュディウムがどれほど刺激的で魅力的であったかが、過去完了形で語られるのはあまりにもったいない。私は近畿大学文芸学部の出身でもあって、近畿大学という規模の大きな大学がどれほど豊かで多様な文化・研究を維持し、支援してきたかを知っています。ぜひ、ここでもまた度量を見せていただきたいです。

●受講講座履歴
2003年、2004年 芸術理論ゼミ
2004年、2005年 岡崎乾二郎ゼミ

「四谷アート・ステュディウムの存続を切に願います。」辻 可愛

[作家、契約社員]


大学を卒業して3年目、制作するうえでのモチベーションをしっかりと捉え直したい、これからどのように制作を続けていくのか改めて考えたいという思いがありました。ひとりでは手がかりがつかめず、芸術について学べる場所がないかと探すなかで四谷アート・ステュディウムを知り、通い始めました。四谷アート・ステュディウムという場所との、また、岡﨑乾二郎先生を筆頭に講師の方々と出会えたことは大変幸運だったと感じています。

自分の物の見方から問い直す経験でした。制作について改めて、とか捉え直す、ではなく、これは新たなスタートだと感じました。ここで学んだことは制作にかかわることのみならず私の生きる力となっています。それほどの経験が四谷アート・ステュディウムでは可能でした。

「人材のるつぼ、出会いのファーム」原 牧生

[社会人]


人生は短く芸術は長いといいますが、このごろは人生も長く、むしろ芸術が短い場合もあるようです。しかし、四谷アートステュディウムがあれば、芸術が続きます。この学校はリピーターになりやすいですし、私もそうなっています。ここを媒介とした、芸術と人生の関係があると思います。芸術(アート)と人生(ライフ)の関係を考えると、それは例えば習慣のように、その人のものでありながらその人を超えてあって、その人らしさになるものだと思われます。芸術は人生を裏打ちするようになると思います。ここは、学校を卒業して社会に出るというコースと反対に、社会に出ていながら芸術をしていくための学校だとも考えられます。

しかしここで考えさせられるのは、芸術と社会との関係、この資本主義の世の中において、芸術にとって社会といえるものはあるのか、あるいはその逆、社会にとって芸術といえるものはあるのか、という問いです。その問いは、この学校と社会との関係という問いにもなり、今まさに問題となっています!


2013年11月21日木曜日

閉校 / 意見募集をめぐる経緯

2014

3/17

  • 近畿大学への10日の署名提出から一週間が経過したため、在学生有志がコミュニティカレッジオフィスへ電話で請願事項への回答を求めた。窓口担当者の回答は下記の通り。

    「署名冊子を木地平事務長、人見所長にお渡ししましたが、お二人からは何もない。また、これに対して今後何か回答するということもない。」

3/10

  • 在学生有志が、これまで集めた署名(529名分)を近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィスへ提出。提出の際も直接の回答は得られず。

    *提出物は以下
    ・これまでの経緯等を掲載した手紙文1通
    ・署名簿1通



2/25

2/5

1/21

1/19


1/7

  • 学生有志が、学校へ電話にて、「募集要項」「講座概要」にもとづき閉講の時期とプロセスについて問合せる内容証明郵便(12/25送付)の到着確認。近畿大学国際人文科学研究所、事務長 木地平浩次様、および同所長 人見一彦様へ届いたことを確認した。


2013

12/25

  • 学生有志が、国際人文科学研究所 事務長 木地平浩次様・所長 人見一彦様へ閉講の時期とプロセスについてメールと書面にて問合せ。『募集要項』『講座概要』記載の「カリキュラムは互いに連携するよう組み立てられているため、複数の講座を受講することが望まれます」との趣旨を根拠に、来年度以降も今年度と同等の講座を開くようお願いする。


12/23

12/19

  • 在学生有志が、新聞・テレビ・雑誌・出版社・web・その他報道機関へ向けプレスリリース芸術教育とはなにか?──近畿大学四谷アート・ステュディウム閉校問題で議論高まる」。

12/16

  • 学校へ電話にて意見書第2号の到着確認。コミュニティカレッジオフィス担当者より以下の応答を得る。

    ○今月中に、国際人文科学研究所 事務長の木地平浩次様と所長の人見一彦様が、四谷アート・ステュディウム主任ディレクターの岡崎乾二郎様と話すために東京へ行く予定。(会合の日時は未定、その際に学生への説明会を行なうことはない。)

    ○学生による問合せへの対応はコミュニティカレッジオフィスが一括して行う。大学側より事務長の木地平様を通じて指示があった


  • 国際人文科学研究所 事務長の木地平浩次様より、四谷アート・ステュディウム 主任ディレクターの岡崎乾二郎様を通じて以下の連絡を受ける。以下、学生有志が受け取ったメールより転載。
    ----------------------------------------------------------------------------
    日付: 2013年12月16日 23:05
    件名: 大学より連絡

    阿部さま

    本日...以下の内容のメールが送られてきましたので お伝えします。「」内は引用、原文そのままです。


    ○12月27日に「...東京での活動(一年間の経過措置としての夏期、冬期のセミナー等の実施)について打合せをいたしたく思っており、その経緯の中で、受講生にご案内できる事項もあろうかと思っています。」

    ○「繰り返しとなりますが、『カレッジは本年度末を以って閉講する』以外の回答はございません。岡﨑先生には、本学教員及び副所長として、本学の決定に何とぞご理解・ご協力いただきたく思います。私としては、27日にお話した内容を以って、今後、経過措置についてどの様に受講生に対応するか大学側と調整したいと考えておりますので、恐縮ですが、その旨、早急に岡﨑先生から受講生(阿部様他、有志の方々)に連絡していただきたく、よろしくお願いいたします。」


    という連絡を事務長の木地平浩次さんより受けました。
    ----------------------------------------------------------------------------

      

12/13

  • 理事長ら運営関係者へ電話にて意見書第2号の到着確認。総務課分室(郵便窓口)、広報部は到着の確認が取れた。  

12/12

  • 学校へ閉校通知の内容について電話にて問合せ

    大学がコミュニテイカレッジの閉校を決定したとして、 閉校のしかた、期間やプロセスは誰が決定しているのか?
    回答:自分にはわからない。

    通知については?
    回答:大学側が閉校を決定。決定を受けて、大学側へ確認したうえで、国際人文科学研究所より受講生へ通知を送付した

     

12/11

手紙・意見71名分・資料(閉講の経緯・学校概要・メディア掲載)を、近畿大学理事長ら13名の運営関係者へ。国際人文科学研究所 所長 人見一彦様、事務長 木地平浩次様、東京事務所、 四谷アート・ステュディウム 主任ディレクター 岡﨑乾二郎様へは、同手紙と資料、および、11月20日以降に届いた意見書提出者一覧を発送(意見書は追って送付予定)。 

12/5

  • 東京都消費者生活総合センターへ電話相談。無料法律相談を予約。

12/4

11/30

11/29

  • 学校に電話にて問合せ。意見書に対しての大学のリアクションはなし。
(11/20に送った)意見書は、人見所長にも届いているか?意見書への回答は?
回答:人見所長に送った。回答はない。
回答が得られないとしたら、責任者より説明いただく機会を設けられないか?
回答:所長からの通知で(閉講への対応は)終わった。
(通知の書面には記載がないが)人見所長からの通知だったのか?
回答:そうだ。

11/21

  • 受講生に、大学より閉講通知が届き始める。東京事務所移転に伴い2014年3月末日に閉講、との内容。

11/20

  • 意見書第1号を学校に提出。意見書は在学生27名、在学経験者24名、計51名分。
提出先:
近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィス 事務長 木地平浩次様
近畿大学国際人文科学研究所コミュニティカレッジオフィス 所長 人見一彦様
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジオフィス
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ 岡崎乾二郎様

  •  学校に電話にて問合せ。
意見書第1号の到着確認。
回答:意見書は木地平事務長に渡した。 
ご本人たちから返答は?
回答:返答するという業務をされるか、わからない。
未だ学生への告知がないが?
回答:昨日より学生宛に閉校通知の送付を始めた。
公式サイトでは、引きつづき学生を募集しているようだが?
回答:突然止められない。学生に通知したうえで、サイトを変更する予定。
前週、学生の一人がコミュニティカレッジオフィス訪問。閉校の理由は、東京オフィス移転と四谷撤退と説明を受けた。全面閉鎖しかなかったのか?
回答:四谷の建物は近畿大学の所有物。近畿大学の判断に対してコミュニティカレッジとしては何もいえない。

意見書第2号は12/9頃の提出予定。

11/11

  • 学校にメールで閉校について再度問合せ。
    意見書提出とブログ公開を告知。
  • 学校に電話にて問合せ。
    閉校は確定している。前回の問合せでは、学生への書面連絡の詳細が未確定(そのためまだ連絡していない)との趣旨であった、との回答を受けた。

11/8

  • 学校に電話にて問合せ。
    今年度で閉校の方向で確定しそうだがまだ検討中である、学生には年度内(~12月末)に決定事項を書面にて通知する予定である、との回答を受けた。

11/5

  • 学校に書面(11/2メールと同内容)にて問合せ。

11/2

10/26

  • 閉校の知らせを岡﨑乾二郎先生から受けた。

「四谷アート・ステュディウムの存続をお願いします」下田伊吹

[受講生]


突然の四谷アート・ステュディウム来年度より閉校の知らせに驚いています。

カリキュラムの組み方は受講生の自由な選択に任されているとはいえ、けして短期間の教育を呈示している学校ではないし、教育にとどまらず文化的な実践を発信している場だと思っていました。

私がこの学校で受講を始めたのは2010年度からです。その前は大学で建築を学んでいました。

建築文化の幅の広さ、社会とのつながりの密接さから、大学の教育制度の中で学ぶことに疑問を感じ、しかしどうしてよいか分からないままに勉強をしているところ、四谷アート・ステュディウムを知り、そこで学ぶことを始めました。

生産物全般を技術の視点から捉え直す包括的な取り組み、講師の方々の領域を切り開く批判的な試み、そうした個々に核心的な試みが関連づけられてしまう四谷アート・ステュディウムという場は、社会的な実践の場を求めていた私にとって他の教育機関には換え難い場所としてありました。

だから、その学校から一方的な閉校を言い渡されることがいまだに信じられません。

どうか、来年度以降も学校を開校していただけることを願います。

「四谷アート・ステュディウムで学んだ1年間を振り返って(自分が教える立場になってみて)」田中拓馬

[画家、起業家]


こんにちは、2009年に四谷アートステュディウムで1年間勉強した、藝海(日本のアーティストを海外へ派遣する一般社団法人)の田中拓馬です。僕は現在画家としても活動しておりますが、子供等に教える立場から、四谷アートステュディウムの意義を考えてみたいと思います。

四谷アートステュディウムでは岡崎先生の基礎ゼミ等を履修しました。今になって考えれば、岡崎先生の授業は話が理解できないところも多いのですが、一回の授業または連続的な視点にたってみると理解できるというものでした。授業自体がアートのような構造になっていて、想起させる面白い授業スタイルだと思います。

とかく最近の傾向では教師の側が教え子に対し、手取り足取りなんでも柔らかく噛んで口に運ぶ式の授業が多い中、四谷式の授業は緊張感があり生徒の学ぶ意欲に賭けた面白い取り組みだったと思います。

「教育機関による芸術・研究実践――体系性ある批評言語しめす磁場」印牧雅子

[編集者 / 身体芸術]


近畿大学四谷アート・ステュディウムの前身である「芸術・建築コース」開設記念シンポジウムで招かれた、科学者の故ビリー・クルーヴァー氏の活動に触れ、感銘を受けました。クルーヴァー氏は、芸術家と協働するエンジニアのユニオン「Experiments in Art and Technology(E.A.T.)」の代表であり、1960年代アメリカにおいて芸術家たちとの重要なコラボレーション・ワークを実現してきました。芸術作品が現象として定着する、その媒介者として不可欠な役割を担った科学者クルーヴァー氏。芸術を、閉じた美学的対象としてではなく、諸学を結びつける技法として用いること、そして、諸学の連関を新たに基礎づけるモジュール(単位)として芸術を見出すこと。このシンポジウムがアート・ステュディウムを象る象徴的な出来事として、芸術が感性・感覚的領域に属するものでありつつも、同時に、科学的に扱い得る客観的相関物として組織されてあることの核心を教えられた瞬間でした。それらの考えは、続く授業のなかで扱われた、今日の人文科学の基礎となる18世紀の百科全書派にも連なることを学んでいきました。

こうした実証主義的とも言える姿勢が、四谷アート・ステュディウムの教育・研究実践を貫く特徴の一つに思えました。哲学者カントの有名な概念「アンチノミー」(二律背反)を主題にした展覧会企画は、学校併設ギャラリー・オブジェクティブ・コレラティブ開館記念展として行なわれましたが、その内容はゼミの研究成果に基づくものでした。古今の芸術作品にアンチノミーの諸相を見て解析する狙いから、例えば、高橋由一の油画の描画の成り立ちを検証する模型が制作され、分析された内容はカタログに収められました。研究を主眼に、美術作品の模型や複製を展示する学究的な方法は画期的なものに映りました。

「四谷アート・ステュディウム 生涯につながる芸術教育」みつばこ

[出版社勤務、みつばち愛好家]


近畿大学が21世紀の「知」と「創造」の実践を目指して『東京コミュニティカレッジ』を東京四谷にスタートさせるという朗報を聞いたのは2002年だった。「国際人文科学研究所」主宰のオープニングイベントとしてシンポジウムが都内の会場で催されるのを知り、期待に胸をふくらませて足を運んだ。シンポジウムは「21世紀の人文科学をめぐって」と題し柄谷行人、スガ秀実、浅田彰、岡崎乾二郎が登壇。現代における社会や教育のしくみにとってかわる、実験的な芸術教育のプログラムを四谷を拠点に根づかせていく動向を示唆するものだったと記憶している。

当時のわたしは、生活の8割が糧を得るため、会社で仕事をしていた。探究心が旺盛で、かねてから現代美術や自然科学、詩や絵本など多彩な世界に魅せられていた。社会人であっても人文科学が学べる「場」が誕生した喜びは格別だった。しかも既存の学派や組織に左右されず、現代社会に対する問題に鋭敏かつ柔軟に、理論と実践を体得できる「学校」に共感を覚えた。

2013年11月20日水曜日

「四谷アート・ステュディウムは 存在すべきです。」篠崎英介

[美術家]


単純な図形(円や三角形)の重心は、知識さえあれば見つけることができる。

しかし、それが複雑な図形(例えば凹多角形の様な)だとすれば、そう簡単に重心を見つける事は出来ない。

ただその図形が存在するなら、一点の重心がどこかに存在しているだろう。

私が四谷アート・ステュディウムで学んだことは、前述の複雑な図形の重心を探る方法を学んだと言えるのではないかと思っています。
言い換えれば、未だ技術体系の確立していない問題に対して、どのように考え、アプローチしていくかということです。
四谷アート・ステュディウムでは各分野の一線で活躍されておられる講師の方々や、多様なバックグラウンドを持つ受講生たちが集まり、ある体系では対処しきれない問題(美術に限らず)に対して、議論やそれに応じた実践が行われる場所でした。

「四谷アート・ステュディウムという学校=場所の必要性」鈴木なつき

[大学院生(建築専攻)]


私は、2005年の「絵画の準備を!」発刊イベントのレクチャーをきっかけに岡崎先生と四谷アートステュディウム(以下、四谷)の存在を知りました。当時、私は理系の単科大学に在籍し建築を学んでいましたが、芸術全般への興味もあり、大学とは別に学べる場所を探していました。
2006年から2007年にかけて、建築工作ゼミ、芸術理論ゼミなどの講座を受けることができました。内容の深さから理解が追いつかないこともありましたが、四谷で議論されていることこそ自分の求めているものだという直感があり、大学の授業・課題の合間を縫って必死で通っていました。
受講できた講座は限られていましたが、建築を学び始めたばかりの私にとって原点となるようなものでした。

「四谷アート・ステュディウムは存続すべきです。」宮崎直孝

[美術家・ミルク倉庫]


四谷アート・ステュディウムは、大げさに表現すれば、私が生まれ変わった場所と云えます。
その授業では、どんな専門的知識・技術を持った人でも一度素人化させられ、そして、そこから再度自らを組み立て直すことが要請されます。幾度でも自分を組み直す(生まれ変わる)ことが可能である(それこそが技術)、ということを教わったのがこの学校です。
もちろん、それは容易なことではないですが、幅広い年齢・様々なキャリアの人たちが継続的に通い、その人個々に深く影響を与えるという理由は、幾度でも年齢・キャリアに関わらず「生まれ変われる」、という学ぶことの本質がこの学校のプログラムに体現されているからだ、と考えます。学校を離れ美術家として活動している現在もこの「幾度でも生まれ変われる」という確信が希望であり、活動の動機の深いところにインストールされています。

2013年11月18日月曜日

田中丸善一

[作家、フリーター]


四谷アート・ステュディウムには2008年に東京を活動の拠点と決め、住居を移した年から通っています。そこで学び思考した濃密な内容を持つ講義の数々を消化するには、まだまだ時間と勉強が必要であると考えています。同時に、学べば学ぶほど、講義において提出された(した)問題の重要性を再発見すると共に、作品制作という形で、さらに押し進めたいという気持を強くしています。そのような意識も四谷アート・ステュディウムという教育機関の在り方から得られたものであると言えます。

卒業と共に教育の機会を奪われる日本にあって、ただ純粋に、あらゆる人々に門戸を開く、四谷アート・ステュディウムのような在り方は希少です。そこでは、様々な背景を持った人々が個々に感づいた問題を提出、議論、共有しあい、それを個人的な問題から思想と呼ばれるものにまで精錬しています。そのような環境であるからこそ、メディア、ジャンル、世代、様々な社会関係を越えた問題意識と関係性、そして文化を生産する学校として成立しているのです。

「四谷アートステュディウムがあることに感謝しています。」上西慶子

[絵を描いています。団体パート職員]


月1、2回夜間に開かれる〝セオリ―ラウンドテーブル″を昨年12月から受講しています。

知らなかった違う分野・時代・場所でのやりかた、新鮮なとらえ方を学んで、毎回生きていてよかった、と思うのです。

それぞれの先生の研究と発表してくださる熱心さ、そして学生(年がいろいろです)や助手の学ぶ熱心さにもいつもおどろきます。

(授業の前にギャラリーで学生の意識高い取り組みを拝見できるのもいいです。)

●受講講座履歴
2012年度 Theory Round Table (3回)
2013年度 Theory Round Table (通年)


●来年度以降 受講予定講座
来年度の授業計画をみながら検討したいです。

磯部有加

[ショップ兼企画会社]


私は美大を卒業してから四谷で二年ほど学ばせていただきましたが、その二年間は密度のある時間でした。

「つくること」の意味を根本から向き合う時を過ごせたことは、今の私に繋がっていると思います。

今、日本や世界が根本からものの本質を捉え直さなければならない状況になっています。

この時こそ、思想、アートが必要なのです。それを学ぶことができる四谷がなくなるということは、一番必要なものを失うことに繋がります。

●受講講座履歴
2005年岡崎乾二郎ゼミ基礎
2006年岡崎乾二郎ゼミ自由応用
2006年Musique Non Stopゼミ

「四谷アート・ステュディウムを続けてください」高木 生

[アルバイト、音楽活動]


意義や業績についてぼくには多く語ることは出来ませんが、日々フラフラしているだけのぼくに、日々フラフラし続けることでさえ、時に有効な社会的行為になりうる芸術の力を教えてくれたのは、四谷アート・ステュディウムでした。

この学校の伝える学問と技術が、例えばこの意見書の活動にも見られるように、関わる人それぞれに出来る範囲であれ、社会を新しいものにする文化的実践を産み出していくと思います。

四谷アート・ステュディウムが続くことを希望しています。

●受講講座履歴
岡崎乾二郎ゼミ 2007-2009
芸術理論ゼミ 2007-2009
Theory Round Table 2007
山崎広太ワークショップ 2007
アヴァンギャルドのための絵本講座 2008
足立智美のMusique Non Stopゼミ 2010


●来年度以降 受講予定講座
なし

「四谷アート・ステュディウムの存続を希望します」貝塚厚子(藤井ラーメン)

[作家、アルバイト(デザイン事務所)]


私は、四谷アート・ステュデュウム創立に近い時期に初めて在籍しました。

しかし途中から、当時就職していた仕事が多忙になり、当時在籍していた制作ゼミに出席できなくなってしまいました。それ以降、Theory Round Tableやシンポジウムに単発で出席する位でしたが、久しぶりに岡崎先生に挨拶に行くと修了証をいただきました(修了証は、合計72単位取得で授与されます)。そうして離れていた時期があったため、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

現在、二児の子育てに一区切りつけ、新たな気持ちで、通う決心をした所、今回のお話をお聞きしました。私は「存続してほしい」と言える立場ではありませんが、通う事ができなかった時期も心の拠り所でした。

「四谷アートステュディウムの存続をお願いする理由」有賀文昭

[アーティスト、デザイナー(PLUMP PLUM)、桑沢デザイン研究所非常勤講師]


四谷アートステュディウムの閉校について、関係者の方々に対し、この決定を撤回していただけるよう、この場を借りて切にお願い申し上げます。

四谷アートス
テュディウムは、講義や実技指導および公演やシンポジウムといったイベントなどを通じ、様々な時代における様々なジャンルの知を広く深く扱うことによって、経験や出来事をいかに評価すべきか自らは何をすべきかを考え抜くようにと、そしてまた、それがいつでもどこでも誰にでも理のあることとして認められ得るものであるかどうか考え抜くようにと、厳しく問いかけ、働きかけてくる場です。自らの死後においても、一つの〈社会=世界〉の終わり(その外部)にあっても、遺り続ける(遺り続けてしまう)存在を考えるよう、強いられる場です。このことが、この場が一つの閉じたパースペクティヴに安住する凡百のカルチャースクールとは異なるゆえんであると考えます。

その講義やイベントの一部は資料として、あるいは近畿大学の紀要(『述』)において公開されておりますが、私は四谷アートス
テュディウムにおける、論理の構築や制作の技術(ものづくり)についての格律に触れて初めて、「責任」とはどういうことか、「歴史」を知るとはどういうことか、特定の領域(ないし「現在」)を超出するとはどういうことかを、真に考え始めたように思います。

匿名

[明治大学大学院]


私は、社会人を経験した後、大学院に復学して表層文化論を中心とした芸術についての研究をしています。その傍ら、四谷アートステュディウムで岡崎乾二郎先生の芸術理論ゼミに参加しています。四谷アートステュディウムの素晴らしい点の一つは、岡﨑乾二郎先生を中心として、林道郎先生、松浦寿夫先生、絓秀実先生など、芸術論のエキスパートが集まり、一つの島となっているという点です。芸術がどうあるべきなのか、何をすれば有益なのか、そういった問いをたてること自体が難しくなっている昨今において、純粋に愚直に向き合える、非常に貴重な場となっているのです。これを破壊するという行為は、例えば美しい森を切り開いて造成地にしてしまおうという考えに似ています。貴重な生態系を徹底的に破壊しても良いのでしょうか。四谷アートステュディウムは何年もの年月をかけて奇跡的に出来上がった高度な芸術理論を展開できる場所となっているのです。これを失っては、二度と取り返しのつかないこととなるでしょう。


ステイトメント

このサイトは四谷アート・ステュディウム在学生有志が運営しています。
近畿大学 国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ 四谷アート・ステュディウムの存続を近畿大学に求めて、在学生・在学経験者から募った意見書]を公開します。

東京における重要な文化的拠点の存続を望む声とともに、閉校を惜しむ声、これまでの活動のすばらしさを伝える声を随時更新していきます。

また同時に、同校閉校をめぐるプロセスを記録していきます。


2013年11月18日

佐々木智子、木内祐子、川瀬瑠亜、川原卓也、
阿部乃里子、中川周、田中丸善一



  • A: 文書として近畿大学、四谷アート・ステュディウム事務室、岡﨑乾二郎先生に提出(非公開)
  • B: このブログにて掲載(公開)

意見書の近畿大学における提出先:
近畿大学国際人文科学研究所 所長 人見一彦様、事務長 木地平浩次様


引き続き、在学生・在学経験者の意見募集[公開・非公開版共に]>>

問合せ

四谷の声 Yotsuya no Koe
yotsuya.party.2014(a)gmail.com *送信の際、(a)を@に変えてください。


Statement: 

We the students and alumni of Kinki University Internatilnal Center for Human Sciences, Tokyo Community College, Yotsuya Art Studium, present our appeal to Kinki University in order to save our school. Yotsuya Art Studium is an exceptional educational interdisciplinary locus for the arts based in Tokyo. It places value on nurturing working artists in the world, encouraging students to consider and utilize art as a powerful, positive force - one that can, and does, effect change - in the world at large. We appeal to you, do not let it be shut down.

2013年11月17日日曜日

「芸術を学ぶ大変良い学校だと思います。」本多紀子

[医療関係]


私は大学(文学部)を卒業し、就職結婚の後絵を描き始めました。

社会人が時間的経済的に無理なく、学究的に芸術を学べる場所を探していましたが、なかなかそのような学校をみつけることができず、今年前期に受講して、初めて良い学校に出会えたと喜んでいました。後期は忙しくて受講できませんでしたが、来期からまた受講しようと思っていたところです。

閉校のお知らせを聞いて大変残念に思っております。真面目に生徒と向かい合い、密度の濃い授業をしていただける他にはない大変良い学校だと思います。今回閉校になる事情が分かりませんが、少し規模を小さくしてもなんらかの形で残していただけるととても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

「貴重な場が失われることのないように」滝澤華子

[会社員]

私は2012年度から、四谷アート・ステュディウムの講座に参加しています。仕事との兼ね合いがあるため、一年にいくつものクラスを受講できる訳ではなく、長期になっても時間をかけて勉強を続けていく計画で受講してきました。来年度以降も受講する予定でおりましたので、突然の閉鎖となって、とても戸惑っています。

私は大学で美術史を専攻し、卒業後は、アーティストインレジデンスなどの運営に関わる仕事をしてきました。その後、転職を機に、美術の勉強をもう一度再開したいと思い、こちらに通うようになりました。クラスでは美術の既習者だけでなく、初めて美術を学ぶ人、プロの作家、社会人、学生など、様々なバックグラウンドを持つ受講生がいますが、毎回、刺激的な議論が交わされています。

2013年11月15日金曜日

「教育機関、文化活動のモデルとして」秋本将人

[美術家]


9年前、東京藝術大学大学院美術研究科に所属していたころ、修士課程での研究活動を補うため、四谷アート・ステュディウムに通い始めました。東京藝術大学では学部時代に幾つもの講義やシンポジウム、ゼミに積極的に参加しましたが、4年間で学んだ全てを積み重ねても、四谷アート・ステュディウムで1年間に獲得した知見には遠く及ばないと実感しました。議論を交わしながら、技術そのものを本質的に捉え直し、思考とともに組み立てていく訓練があり、芸術の一領域を超えた、文化や歴史、社会に目を向ける機会に満ちていたからです。

四谷アート・ステュディウムの講師陣は、近畿大学教授であり造形作家・批評家である岡﨑乾二郎先生を筆頭に、芸術や建築、デザイン、哲学などの各分野において、これ以上にないほどのエキスパート、スペシャリストで構成されています。また、これまでに行われた特別講演会では、国内外を問わず、世界的に著名な作家・批評家が数多く招かれてきました。受講生は近畿大学の卒業生や美術系の大学院生にとどまらず、大学での研究に飽き足らないさまざまな分野の学生から、すでに活躍されている作家や批評家、大学講師、学芸員が集まり、はじめて芸術や文化を学ぶ社会人や主婦にも開かれています。
真摯に研究したい者たちが集まり、実際にプロジェクトを立ち上げ、広報宣伝物をつくり、出版物を刊行するなど、総合的・実践的な技術を身につける、これほど理想的な教育機関は、いったいどれだけあるでしょうか。

2013年11月14日木曜日

「考える喜びを分かち合える場所」温又柔(おん・ゆうじゅう)

[小説家]


たった2度しか受講していませんが、たっぷりとものを感じ、思い、考える場所がここにあると実感し、2度ともふくよかな余韻を抱きながら帰路につきました。閉校すると知り、ショックをおぼえています。ものをゆっくりと考える時間・空間・そして機会が世の中のあちらこちらから失われていくのはとてもさみしいと常々感じていました。「四谷アート・ステュディウム」という学校が存在すると知り、わくわくするような希望を感じたばかりです。受講生の方々が羨ましいなあ!と思ったばかりです。学校を存続させたいと願う彼らのお役にほんの少しでも立てるならとこの文章を書いています。考えることの喜びを仲間と分かち合える場所を、これからも四谷に!そして時折は、私もおじゃまできたらなと…心から願ってます。

●受講講座履歴
2013年度「ことばのpicture books講座 Lost Modern Girls編」ぱくきょんみ先生 
10・29佐藤泉先生 
11・12柴田元幸先生

●来年度以降 受講予定講座
未定。シラバスを楽しみにしているところでした。

2013年11月13日水曜日

「四谷アート・ステュディウムの存続を求めます」鬼丸康太郎

[哲学・芸術理論研究家、芸術文化施設コンサルタント]


四谷アート・ステュディウムの閉校決定の撤廃と、学校の存続を求めます。

社会人にとって学びやすく、また、単なる絵画をはじめとした制作技術を学ぶための学校ではなく、本来的な意味での芸術の本質を学べ、更には批判的かつジャンルを超えた広い視野において、芸術理論を始めとした様々な歴史的に重要な批評理論を学ぶことができ、世界を理解するための本当の力を身につけることのできる学校です。私自身も約8年程前から断続的に岡崎先生の芸術理論をはじめとした講義を受け、世界に対するものの見方について決定的な影響を受けた一人です。


「四谷アートステュディウムが無くなったら、日本の芸術文化の終わり」早崎一修

[アルバイト]


私は四谷アートステュディウムが閉校されると聞き、大変残念に思い、憤りを感じると同時に、自分の人生の行く末を案じております。

私はイギリスで建築を四年間勉強し、2年間建築事務所で働きましたが、ヨーロッパでの建築教育や建築デザインの流行には疑問を感じました。そこには思想と言うものはなく、建物の形態を最新のコンピューターソフトを使って洗練させるだけのものだったからです。日本に帰って来てから自分の進路に悩んでいた時に、岡崎先生の著書の「芸術の設計」を読み、四谷アートステュディウムのことを知り、入学してアルバイトをしながらでも勉強をし続けること決心しました。現在通い始めてから3年が経ちますが、最初の2年間はできるだけ多くの講座を受講することに努めました。その2年間は、自分の無知を痛感すると共に大変貴重な経験をすることができ、物事や芸術作品の認識の仕方が変わる思いをしました。現在は自分の専門の建築を芸術的観点から作品として突き詰めている所であります。

「四谷アート・ステュディウムの存続を強く希望します」川原卓也

[作家・アルバイト]


突然四谷アート・ステュディウム閉校との話をうかがい、大変驚きました。
学校の存続を強く希望します。

私は、筑波大学芸術専門学群を2007年度に卒業し、筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻を2009年度に修了後、2012年度から四谷に在籍しています。大学では写真を専攻し、コンテンポラリー・アートにおける写真表現について研究してきました。四谷アート・ステュディウムでは2年間基礎ゼミを受講し、来年度はより実践的なゼミとなる自由応用ゼミを受講しようと考えています。

「四谷アートステュディウムの存続を希望いたします」佐々木つばさ

[美術家]


今年度より四谷アートステュディウム(以下、四谷)にて受講をはじめた美術家です。

若輩者ながら芸術に関わって来た人間の一人として、近畿大学が四谷を擁していることで得て来た、日本美術界における高い評価を目にしてきました。
美術に関心のある層においては、四谷を通じてはじめて近畿大学の存在を知った人も少なくないと思います。

開かれた門戸、密度の高い授業、複数分野をまたいだ豪華なゲスト、現行の大学制度では再現の難しい独創的な教育プログラムを実現した学校として、美術愛好者のみならず、専門教育機関からの注目を集めてきたのです。

「世界有数の学際性と文化の結束点」中井 悠

[作曲家、研究者、ニューヨーク大学大学院博士課程、ニューヨーク大学非常勤講師]


2003年の開校時から通いはじめ、2005年より研究員の職につき、2006年から2008年にかけて「English Inter-Activeゼミ」の講師を務めました。またこの間、多数のイベント、展覧会、プロジェクト、機関誌「artictoc」の制作などに携わりました。2009年より、ニューヨークに拠点を移しましたが、一時帰国の折や、海外と関わるプロジェクトなどを通じて、四谷アート・ステュディウムの活動との接点を保っています。

四谷アート・ステュディウムは、きわめて多様な文化の結束点としてこの10年間、機能してきました。開校当初、東京大学大学院に通っていた私自身を含めて、集まった学生の多くは他の大学や大学院に所属したり、異なるフィールドやジャンルで作家活動を展開している者たちでした。

「不定形であるがゆえの実践の意味」木内祐子

[独立行政法人国立美術館 国立新美術館 学芸課研究補佐員(教育普及担当)]



今年度の講座もいよいよ終盤となり、来年度の活動計画について、四谷アート・ステュディウムでの受講講座を含めて思案していたところ、閉校の予定との話を聞いて大変なショックを受けています。来年度もこの学校で学べることを前提に仕事や作品発表の計画を立てていましたし、何より、この学校の教育実践が他にはない素晴しいものであるにも関わらず、その歴史が突然閉ざされようとしていることに疑問を抱くからです。

私がこの学校に通い始めたのは2010年度、大学を卒業して3年目でした。学生の頃は、美術大学で絵画を専攻しましたが、力が及ばなかったこともあり、絵画制作の技術以外は十分に学べなかったように感じていました。卒業後、芸術やその様々な思想について学ぼうと本を読んだり講演会に足を運んだりして努力しましたが、自分ひとりで取り組むには限界がありました。そのような時に見つけたのが、四谷アート・ステュディウムだったのです。

「文化の声 ~四谷アート・ステュディウムは私に何を語ってきたか~」鈴木悠太

[作家]



世の中が、何を中心として動いているのかを僕たちは知っているのだろうか。経済か、資源か、軍事力か、政治力か、国土の大きさか、その境界線のせめぎ合いか。少なくとも、その中心が『文化である』と答えることが出来る人間は何人いるのだろうか。文化の発現のその最たるものとして芸術を考える事が出来る人間が何人いるだろうか。想像するに多くはいないだろうが、特異的に、僕の周りにはそう考える事のできる多くの人がおります。経済活動よりも芸術生産を優先し、今の時間よりも先の時間、もしくは逆の時間で思考出来る人々が。文化の声を信じる人々が。その多くの人々は、四谷アート・ステュディウムで出会った方々に他なりません。岡崎乾二郎先生を筆頭に、多くの知と声を持つ方々に学ぶ事が出来たことを誇りに思っております。

また、微力ながらもその一分を次に繋いでいく覚悟を持って制作している仲間に出会えた事に喜びを感じております。彼らも同じ気概を持って制作している事でしょう、それは必ずや世のに対して発言をし続けます。その思考と行動そのものを教えて頂いた場所が四谷アート・ステュディウムです。
芸術を生産するとはどのような事なのか。お金を稼ぐ事なのか、戦争を止める事なのか、国に利益をもたらす事なのか。それらはすべて役割として二次的に付与された結果であり、場合によっては当てはまるように思われます。しかし、芸術はそれらを越境する事が出来ると考えるようになりした。単なる手段ではなく時間と空間を越境しうる唯一の行為として。むしろその結果に回収され得ない部分を含む事が出来る唯一の方法。それが芸術だと発見する事が出来たのは四谷で学んだからに他なりません。


「私が求めていた現代美術の学校」吉田 聡

[作家(現在アルバイトをしながら作家活動中)]



私は現在、岡﨑乾二郎先生の彫刻ゼミを受講しています。週に1度、3時間の授業(と言ってもヒートアップした授業が1時間以上もオーバーしてしまうのは毎週のこと)ですが、講義の度に、自分の頭や目・手が更新されるような感覚を覚えています。それは、本当に自分にとって意味のある学習が行われたときにだけ感じられる、希少で貴重な体験です。

本件に関しては又聞きの又聞きのようなかたちで知らされることとなり、本来であれば私の与り知らないところで始まり終わってしまったことなのかもしれませんが、それも含めて、ただただ残念に思います。

日本で唯一と言っても良い、この正当な「現代美術の学校」が、今後も存続することを願ってやみません。


「存続できうるのであればぜひお願いします」飯尾慶子

[アパレルメーカー勤務]


わたしのような美術教育経験のあまりない社会人でも隔たり無く受け入れてもらうことができ、またカリキュラム自体も独自性の強いもので、ほかの大学等の講座とは比較できない内容でした。
諸事情があろうかと思いますが、可能な限り存続していただきたいです。

●受講講座履歴
2011年〜2012年 Nature of Future―生活文化・耕作ゼミ

●来年度以降 受講予定講座
来年度については個人的な理由により講座の受講は難しいのですが、その後については機会があって状況が許せば、ふたたび受講するつもりです。

「とてもまっとうな芸術の学校です」漆崎泰子

[デザイナー]


私は漠然と戦前の文化人に憧れていました。昔の人は、絵を描いて建築をやりつつ、演劇を論じる。はたまた、外国の文学に精通しつつ、自身も詩を書いたり作曲したり。
かつては、ジャンルを横断し俯瞰する豊かな教養を育む土壌があったんだろうな、と、戦前のことが書かれたものなどに触れるたび想像します。

四谷アートステュディウムは、ともすれば大変に前衛的と思われがちな学校です。私も入学するまで、ずっとそう思っていました。(だから入学するにあたり大変な躊躇もありました。)しかし、そこに身をおき、学んでいるうちに、例えば、彫刻の制作過程が写真を撮ることに繋がったり、1枚のタブローが映画1本分の情報量より多く感じられたりする瞬間に、あー、これは芸術としての基本中の基本を学んでいるのだなということがわかってきました。前衛的だけど、大変に当たり前のことを教えてくれる学校です。
とすると、私がかつて通った美大っていったい何だったんだろうという疑問も湧いてきます。

「学校の価値を決めるのは何か」渡辺賢一郎

[会社員]


この世界に存在する様々な学校の価値はいったい何によって決まるのでしょうか。
四谷アート・ステュディウムが、受講している(した)私達生徒にとってすばらしいものであることはいうまでもありません。では「世間」や「日本」や「近畿大学」にとってすばらしい存在であるのかどうか。それは誰にも分かりません。それを決めるのは生徒達でも四谷アート・ステュディウムの先生方でも「世間」や「日本」や「近畿大学」でもありません。例えば十年二十年後に四谷アート・ステュディウムの出身者が様々な芸術分野で活躍しているかもしれません。そうなったときに四谷アート・ステュディウムの価値が歴史的に確定されるでしょうか。一見説得力を持ちますが、これも誤りです。それは今ここの現在ではないにせよいつかの「現在」によって肯定されてしまうに過ぎないからです。



2013年11月12日火曜日

「急成長させてくれた学校です」山崎成美

[武蔵野美術大学博士課程 造形芸術専攻 3年]


私は2008年に、美大大学院に入学すると同時に、四谷アートステュディウムでも受講を始めました。また、現在、武蔵野美術大学博士課程にも在籍し、造形制作の研究も続けています。芸術を専門的に学べる機会の無かった私が今のように研究が出来ているのは、四谷アートステュディウムでの受講により短期間に密度の濃い時間を過ごせた事が一番大きいと思います。この四谷アートステュディウムを開講頂いた先生方、近畿大学の皆様方々に深く感謝申し上げます。

四谷アートステュディウムの特色は、分野の垣根を越えて、表現について考察できる環境があることと、考えています。授業では、芸術を一ジャンルとして閉じ込めるのではなく、文化的、社会的、科学的な面からも見直します。とても新鮮でした。一般の大学と美術大学とが、高いレベルで凝縮した場所です。このような学校は、めったにありません。

「無限大の可能性をもった貴重な場の存続を希望します。」山口恵理

私がこの学校の存在を知り、もっと早く知っていればよかったと後悔したのは、今年の4月初めのことでした。
友人を連れてたまたま訪れたクレヨンハウスの階段踊り場に、たくさん置かれているパンフレット群の中でひときわ目を引く本校の募集要項がそのきっかけになりました。そこに書かれていたカリキュラムから、この学校が私の興味のある分野で成り立っていると知りました。もともと思想や哲学は好きでかじっていたけど中途半端。芸術作品を鑑賞するのは大好きで、もちろん自分が創作してみたいという憧れもあるけれど、美大へは行っていないし難しそう。これらの私の知的好奇心をさらに深めるとともに、それぞれをつなげてまとめることのできるような‘場’をずっと探していました。

「世界の秘密を知りたくて」藤本貴子

[文化庁新進芸術家海外研修員として米国議会図書館で研修中]


光合成をするとどうして植物は成長するのですか。成長するとはどういうことですか。グルコースと生命はどういう関係があるのですか。
生物が大好きだった高校生のとき、光合成のメカニズムを聞いてもどうしても理解できなかった私は先生を質問攻めにした。この夏休みこども電話相談のような質問に、先生は困惑するばかりだった。

なぜこれが美しいと感じるのですか。美しいとはどういうことですか。美しいことと芸術は関係ありますか。芸術とは何のことですか。
芸術に興味をもち始めた10代の終わりころ、結局行き着いたのはこの容易に解けない疑問だった。
あらゆる種類の制作は、意識しているとしていないとに拘らず、この世界の真実を知りたいという知的好奇心に突き動かされてなされるのではないか。生物学者も、数学者も、芸術家も、この疑問を解きたいという要求から生まれるのではないか。

中山雄一朗

[自営業]


自分は何の専門技術も専門知識も無いままこの学校に通い始め、熱気に巻き込まれるようにしてさまざまな課題に取り組み、難しい専門的な理論の講座も半分チンプンカンプンになりながら、熱心に聴講しました。

集まっている学生は年齢も経歴も職業もさまざまで、大学や大学院に通いながらダブルスクーリングで受講している学生も多く居ました。既にプロとしてキャリアのある人も、大学で専門的にで学んでいる学生も、自分のようなフリーターも、ワークショップ系の講座では一旦自分の専門性を解体し、同じスタートラインに立って課題に取り組んでいました。理論系の講座では、各自ワークショップで見つけ出したたくさんの問題意識を抱えて、高度で専門的な講座をなんとか理解しヒントを得ようと、熱心に聴講していました。

「経済・経営に左右されない『純粋』な活動が必要」磯崎恵理子

[アルバイト/店長]


美術大学卒業後に大学院進学がままならず、その後の進路に迷っていた際「今後やる気があるのなら」という事で知り合いに四谷アートステュディウムを紹介されました。受講していた際には、それまで漠然としていた疑問が新しい回路でつなぎ合わされ、自分にとっては新たな答えが導き出される事が多々あり、大学の授業では得難かった爽快感を味わいました。最初は授業が難しく感じ、ついていくのが大変でしたが、その爽快感はジャンルの枠を超えることのできない、専門性を一方向に追究していく大学のカリキュラムでは経験できなかったことなのかも知れません。個人的にはおそらく、仮に大学院に通ったとして、それ以上の効果を四谷で得たと思います。

2013年11月10日日曜日

「最高に知的で廉価、社会的意義のある他にはない学校です」すやま ゆうか

[イラストレーター]


2008年に一年間在籍をしました。自分は芸術家にはどうも不向きであると思い、そうではない人生を歩こうとそれ以降はイラストに専念することにしたのですが、四谷アート・ステュディウムで学んだことは、わたしの物の見方・考え方を大きく変えました。この学校の特に素晴らしいところは、新しい概念を獲得できるという点です。社会人にも関わらずそういう機会を与えられた自分をとても幸運だったと思います。それだけに、来年度受講を予定している方々(生活などの事情に より、本年度の受講が出来なかった、たくさんの人々が来年の講義を心待ちにしていると思うのです) からその機会が恒久的に奪われるのは、残念です。

「四谷は存在し続けて欲しい場所です。」西山功一

[自営業(Webデザイン) 作家 写真家]


私は四谷アート・ステュディウムが出来て最初の年に芸術理論ゼミだけ通い、何年か経ってTheory Round Tableに通い始めました。四谷での勉強に多くの時間を割いたわけではないですが、四谷でしか出来ない勉強が沢山有ると思っています。

私は社会人という年齢なので、仕事と作家活動に時間を取られて自分でまとまって新しい知識を得るのが困難な時があります。でも四谷アート・ステュディウムに行けば、新しくて豊かな勉強ができるという安心感がありました。そのような場所は他に思いつく事が出来ません。

是非このまま存続して欲しいと願っています。

●受講講座履歴
Theory Round Table 

「美術大学卒業後の勉強が出来る学校です。」山内映理子

Web 制作アシスタント


私は数年前に美術大学を卒業した後、会社員として働いております。転職を機に、大学時代にやり切れなかった美術の勉強を再開したいと思うようになったので、卒業後の内容が勉強出来そうな学校を探してこの学校を受講し始めました。

大学時代は自分なりに色々模索しましたが、作品らしい作品が完成しないまま卒業になってしまい、4 年間ではとても自分の表現を探しきれませんでした。自分の部屋で篭って描いていても、誰かに講評して貰わないと作品が進歩しない気がし ていたので、ずっと続けていくために、人と交流しながら深められる場所を探しました。
岡崎先生は、知識が豊富で私に新しい視点を教えて下さいました。誰かの授業を受けることで自分の作品が変わると思 っていなかったので、びっくりしました。大学ではこんなに細かく教えて貰えなかったので、有り難かったです。

「世界的にも類例のない重要な学びの場の存続を希望します。」内田 啓

[自営業]


2006年、最初に受講させて頂いた時より、既に社会人であった自分には芸術をやってみたい。芸術の勉強がしたいという切実な思いがあっても学校や大学院にこれから入って勉強するという事は、時間的にも、経済的にも非常に難しいものでありました。

また、美術の技法的な側面に留まらず、哲学や文学、思想的な面をも含む形での学び舎、こう言ってよろしければ芸術としての美術を学べる場は社会人であるという条件を外してもそうあるものではありません。そんな中で学生、社会人問わず広く門を開いてくれる学びの場は、四谷アートステュディウムしかありませんでした。その内容のレベルの高さと、各ジャンルを横断するカリキュラム、研究、勉強の成果を発表する着地点まで含め、自分にとっては芸術の実践の場で今現在、生の思考をリアルタイムで学び、議論できる唯一と言ってよい場でありました。芸術の力、芸術の素晴らしさ、奥深さを再確認、再認識させられる講義の連続でした。大げさな表現かもしれませんが、四谷アートステュディウムで学んでいる時、芸術に触れている時だけが自分が生きてここにある事を実感できるという思いでした。

「思考と実践を行う場所を」岡本 拓

[デザイナー、大学院生、Fachhochschule Nordwestschweiz, Hochschule für Gestaltung und Kunst, Visuelle Kommunikation, Master of Arts]


私は2009年度から四谷アートステュディウムに在籍し、2012年度に同学校を修了しました。

私が四谷アートステュディウムに入学したのは過去に美術手帖で取り扱われた
四谷アートステュディウム特集がきっかけです。

当時私は建築学科の3回生に属しており、ちょうど自分の進路について考えている最中でした。私はこのまま建築を続けてよいのか、なぜ建物を建てたいと思うのか、という学問を学ぶ根源的な問題に向き合っていました。私はその当時大学では実務的なもの、構造設計や環境計画、それに加えて低予算で多くの人の指示を得られる意匠をどのように導きだせるのかといったことを学んでいました。確かに大学で学んでいたことは建築設計において理にかなっており実践では欠かせないと思います、しかしながら何か違うなと、その小さな疑問と偶然手に取った雑誌の中で行われていた決して派手ではないものの何か心を揺さぶられる実験に共感をし
四谷アートステュディウムの門をたたきました。

それからの短い4年間は私の人生において大きな糧となっていると確信しております。

「視界を開き未来への可能性に向かう奇跡の学校」相澤秀人

[美術作家]


突然の閉校の知らせを聞いてたいへん驚いています。学校の存続を切に望みます。

四谷アートステュディウムの存在は現在の文化状況の中で貴重な価値を持っていると考えています。最近では学校の実践の内容が海外にまで知られ注目を集めつつあると聞いています。この学校は単に美術の演習をする従来のカリキュラムとは違い、建築、文学、工学、哲学、さらに農業、社会学へと関連分野へと多枝に渡り、かつ深く及んでいて文明史的に仕組まれ、優れてシステマティックに構成されています。

この学校で学ぶ者は広く深く実践的に体験する事によりパラダイムチェンジを経験しますし、教授陣もそれを学生に要求します。歴史を学び、現在状況を判断し、未来を切り開こうとするコンセプトに貫かれています。このように優れて組織化され、他に類を見ない優れたカリキュラムを作り上げてきた学校を、いとも容易く閉校に追い込んでいいのでしょうか。たいへん疑問に思います。

2013.11.10版 旧ステイトメント

このサイトは、近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ 四谷アート・ステュディウムの存続を、近畿大学に求める意見書を掲載するサイトです。

四谷アート・ステュディウム在学生有志が運営しています。
私たちは、在学中の学生と在学経験者を対象に、意見書を以下の概要で募りました。



  • A: 文書として近畿大学、四谷アート・ステュディウム事務室、岡﨑乾二郎先生に提出(非公開)
  • B: このブログにて掲載(公開)


四谷アート・ステュディウムの存続を求めて、ここに意見書を公開します。

東京における重要な文化的拠点の存続を望む声とともに、閉校を惜しむ声、これまでの活動のすばらしさを伝える声を随時更新していきます。

*意見書の近畿大学における提出先:
近畿大学国際人文科学研究所 所長 人見一彦様、事務長 木地平浩次様

2013年11月10日
佐々木智子、木内祐子、川瀬瑠亜、川原卓也、阿部乃里子、中川周、田中丸善一

2013年11月9日土曜日

「思考と行為の生産現場が来年も必要です」阿部乃里子

[会社員 企画営業]


はじめに、これまで四谷アート・ステュディウムでの学び、創作、発表を可能にしてくださった岡﨑乾二郎先生、ぱくきょんみ先生、木原進先生、高嶋晋一先生、事務室の方々、そして近畿大学の皆さまに感謝申し上げます。今更ながらなんと恵まれていたのかと頬をつねりたい思いです。

私は、宮城県立美術館で行われた「見ること」のワークショプを通じて岡﨑乾二郎先生の存在を知り、2010年度後期から受講しました。2011年度には大震災と原発の問題に揺れるなかで、講座やゼミを通して岡﨑先生が積み重ねてこられた思考と実践にふれ、学生たちと思考錯誤の過程を共有して、とても励まされました。揺らぐことに開かれているゆえのしなやかな強さをもって理論と実践が重ねあわされる場を体験し、真に領域横断的な芸術の存在を感じて、生きものとしての人間が信じられるような気がしました。


「探究心を存分に培える学校です」佐々木智子

[文化公共施設 勤務]


私は2008年から現在まで、四谷アートステュディウムに在籍をしています。
この学校で学んだことの大きさ、また学校の存在の大きさを強く実感しています。
私は四谷アートステュディウムにくる以前、四年制大学の文学部に通っていました。進路を決定する際、まだ学ぶことへの意欲が捨てられず、その後も勉強できる環境を探していました。
進学先を考えていたとき、私にとって最も障害となったのは金銭的面でした。大学院進学の道も考えましたが、そこへ進むための授業料につまづき、大学院進学を悩んでいました。
そんなとき、知り合いから紹介をされたのが四谷アートステュディウムでした。


四谷アート・ステュディウムの存続を求めるためのお願い

在学生・在学経験者の意見募集

三次締切:12月5日(木)  引き続き募集中

2013年11月5日(11月11日ブログ公開に伴い一部を更新)
佐々木智子、木内祐子、川瀬瑠亜、川原卓也、阿部乃里子、中川周、田中丸善一


私たちは、四谷アート・ステュディウムの在学生です。10月26日の講義にて岡﨑乾二郎先生より「近畿大学から、四谷アート・ステュディウムが今年度で閉校になると告知された」と聞きました。私たちは、突然の、かつ詳細のまったくわからない連絡に疑問を持ち、現在、近畿大学に問い合せをしています。

私たちは四谷アート・ステュディウムの存続を目指して、在学生、元学生、在学経験者の意見を集めて発信していきます。

それぞれの立場から、すばらしい学校であること、学校の存続を希望することを伝えるご意見を募集します。賛同いただける方は、ご意見をメールにて専用アドレス宛にお送りください。お送りいただいた情報は私たち在学生有志が責任を持って管理し、学校の存続を求めるための行動(以下のA、B)にのみ使います。

Yotsuya Art Studiumとは

近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ 四谷アート・ステュディウムは、岡﨑乾二郎教授がディレクターを務める芸術の学校。その学習の成果を社会に着地させるギャラリーOBJECTIVE CORRELATIVEが併設されている。
(2003年- / 所在地:東京都新宿区四谷1-5)

公式サイト:http://artstudium.org

[SNS]TwitterFacebook

※詳細は、以下の解説、および、関連リンクをご覧ください。


四谷アート・ステュディウム


*Art Studiumサイトより引用:
2002年の国際人文科学研究所設置と同時に、研究所附属の教育機関として東京コミュニティカレッジが開設されました。最新の研究はここで、学生と共に直ちに討議検証され、研究の最前線へとフィードバックされていくことになります。

東京コミュニティカレッジは、2004年に、生産を行なう実践の現場というまったく新しいタイプの芸術の学校、四谷アート・ステュディウムへの進化を遂げました。四谷アート・ステュディウムのカリキュラムは、WORKSHOP(制作ワークショップ)、SKILL(基礎技術訓練)、THEORY(思考のオリエンテーション)という強固な三種の支柱によって構成され、芸術作品制作に結びつくあらゆる技能を習得することが必要とされる点に特徴があります。ここでの厳しい訓練を潜り抜け、実践的なメチエを獲得した研修生たちが、すでにアーティスト、批評家、編集者などとして、文化の第一線の現場で活躍しています。加えて、在学中または在学経験のあるアーティストを対象に、コンペティション「マエストロ・グワント」を毎年開催し、質の高い作品/作家を多く送り出してきました。

同時に、E.A.T.の故ビリー・クルーヴァー氏や、トリシャ・ブラウン氏などの二十世紀芸術の最重要作家/理論家を招聘してきました。多くの特別講演会の記録は、文化的遺産を後世に伝え残すためのアーカイブとしても重要なものとなっています。

Yotsuya Art Studium, Kinki University, International Center for Human Sciences, Tokyo Community College

The Yotsuya Art Studium has been conceived as an educational, interdisciplinary locus for the arts which places value on nurturing working artists in the world, encouraging students to consider utilize art as a powerful, positive force – one that can, and does, effect change – in the world at large. The curriculum includes a combination of workshops, theory courses, and classes focusing on practical skills, and maintains a heavy-hitting faculty cast (including numerous guests) of some of the most innovative artists and thinkers in Japan and beyond.

関連リンク 1|基礎情報


2|告知:今を知る


3|出版・アーカイブ:生産物を知る

2013年11月2日土曜日

四谷アート・ステュディウムの閉校に関する問い合わせ

近畿大学 コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム
御中



先週26日の批評ゼミにて、岡﨑乾二郎先生より「大学から、今年度で四谷アート
ステュディウムが閉校になると告知された。
それ以上の情報はわからない」と聞きました。事実でしょうか?
私たち学生にとって今後の生活の計画に大きな影響があるので、詳細をお知らせください。

もし事実であれば、来年度以降の学校存続を、強く要望致します。東京コミュニティカレッジでの学習は、私たち学生にとってかけがえのないものです。美術だけでなく、文学、ダンス、建築など様々な分野を有機的に結びつけて、芸術文化全体を学ぶことができる学校は他にはありません。
また、私たち学生は社会人ですが、個々が様々な労働形態で働きながら学んでおり、コミュニティカレッジのギャラリー等の施設、良心的な授業料に助けられています。
どうか、私たち学生の本学校で学びたいという声に耳を傾けてください。
(このメールは、以下の方々へ送っております。
近畿大学 コミュニティカレッジ オフィス、東京事務所、岡﨑乾二郎先生)

2013112
阿部乃里子、川瀬瑠亜、川原卓也、佐々木智子、下田伊吹、田中丸善一、中川周、渡辺卓哉